タキシラは、パキスタンの首都イスラマバード北西約40Kmにあり、前6世紀から後6世紀にわたって栄えた古代都市である。
当地は、前6世紀にアケメネス朝の版図と西接し、前4世紀末にアレクサンドロス大王の侵入を受け、前3世紀中頃にマウリヤ朝下
に入った。のちバクトリアのギリシャ諸王の南下に伴いガンダーラとともに彼らの主要な拠点となり、引続きサカ族やパルティアが占
拠し、クシャーン朝時代に最も繁栄した。
シルカップ都市遺跡 (タキシラ)
シルカップ遺跡は、タキシラの中の都市遺構であり整備された遺跡は、パルティアからクシャーン朝までの時期のものである。
クシャーン朝以前にさかのぼるガンダーラ仏教美術品は出土していない。
シルカップ都市遺跡(前2世紀-後1世紀)
シルカップ遺跡は、タキシラの中の都市遺構であり写真で見る整備された遺跡は、パルティアからクシャーン朝までの時期のものである。
双頭の鷲ストゥーパの基壇(1世紀、タキシラ・シルカップ F 区、5.8m×6.7m)
双頭の鷲ストゥーパ (1世紀)
左からギリシャ風の三角の破風、インドのチャイティア・アーチをもつ戸口、インドの塔門(ストゥーパのトラナ)で、コリント式柱で区切られる。
また中央と右側には鷲がとまっており、うち中央の双頭の鷲は西アジア起源でスキタイ民族に好まれたモチーフである。これらは、インド・
イラン・ギリシャの三文化融合の結果として知られている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ジョーリアーン寺院(タキシラ)
タキシラ博物館から東へ5.6Km。この寺の創建はAD2世紀、クシャーン朝の頃と考えられている。
ジョーリアーン寺院(タキシラ) 遺跡は、管理が行き届いており清潔感が漂っていた。
ストゥーパと壁面を荘厳する仏坐像(ストゥッコ製)
ストゥーパの基壇を荘厳する仏坐像(ストゥッコ製)
基壇を囲む仏像を見ると改めて現実と博物館の感覚の差に気づかされる。
ストゥーパ上段の仏坐像
三尊形式の像
モフラー・モラードゥ寺院(タキシラ)
大小2つのストゥパーと東側にある僧院からなるこの遺跡は、紀元2世紀から5世紀ごろのものである。
モフラー・モラードゥ寺院(2-5世紀)
シルカップ遺跡の東北東方向2.6Kmに位置する
モフラー・モラードゥ寺院にある小型ストゥーパの相輪部とタキシラ博物館にある同ストゥーパのレプリカ |
塔基壇、ストゥッコ製の仏坐像は、よく保存されている。
マトゥラー(Mathura)美術(1) 仏陀と菩薩像 アジアの宗教美術と博物館!
遺跡の仏像は、壁面に並べられ、有刺鉄線で囲まれている。
(撮影:1994年5月日)