下段の表・裏に刻まれたヴェッサンタラ本生(為し難い布施を実践した太子の話)は、浮彫の最大主張箇所となっている
ヴェッサンタラ本生(下段横梁表面)のレリーフ
北トラナ(門)下段横梁のヴェッサンタラ本生の浮彫(表面)
表面に刻まれたヴェッサンタラ本生は、ヴェッサンタラ王子(以下王子)が国の宝 巨象を布施する場面から、王子の追放、馬車の布施、隠遁、までを刻んでいる
①.敵国の謀略により、国の宝である巨象を布施する場面 | ②.王子と妻と二人の子供(左下)が国王(父)に別れを告げる場面 |
下段横梁、表面のレリーフ
③.馬車に乗り城を出ていく王子と妻・二児 | ④.途中でバラモン僧に乞われ、馬車を布施する。上段は、空の馬車とバラモン僧 |
下段横梁、表面のレリーフ
⑤.山に入り村人達の歓迎歓迎を受ける王子とその家族(下段) | ⑥.バラモン僧に敬意を表す二人の子供と動物達 |
ヴェッサンタラ本生(下段横梁裏面)のレリーフ
北トラナ(門)下段横梁のヴェッサンタラ本生の浮彫(裏面)
裏面に刻まれたヴェッサンタラ本生は、ヴェッサンタラ王子が山中に入り生活する場面から、二児をバラモン僧に布施、妻をバラモン僧に布施、バラモン僧は、
神の仕業で道を間違え、王子の父(国王)の都に来てしまい、王子の召還へと続き、王子・妻・二人の子供は無事 宮殿に帰る。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
⑦.山に入った王子とその家族 | ⑧.山中で生活する王子とその家族 | ⑨.庵の前に座る王子と妻(右上) | ||
妻のいない間に二児を僧に布施(左下) | ||||
二頭のライオンに道をふさがれる妻(左上) |
下段横梁、裏面のレリーフ
⑩.バラモン僧が二児を連れていく場面(右下) | ⑪.王子夫妻を国王が迎える場面(左下) | ⑫.宮殿に帰った王子夫妻と二人の子供 | ||
妻をバラモン僧に布施する場面(左下) | 二人の子供は象に乗り城へ帰る(左上) |
下段横梁、裏面のレリーフ
中段横梁のレリーフ
中段横梁 表面(過去七仏を表す)
過去七仏(ブッダと彼以前に現れたとされる六人の仏たち)を表している。
中段横梁 裏面(降摩成道)
中央部右側部分には、表情豊かな悪魔の姿が、左側は王がすわり、その左にブッダ(菩提樹・宝座)にお参りする王とその家族が彫られている
また、左右両端の渦巻きの内側には、アショーカ王を象徴する孔雀の文様が彫られている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上段横梁のレリーフ
上段横梁 表面
五基の仏塔と二本の聖樹が表され、それらを礼拝する天人たちが表されている。
上段横梁 裏面
ブッダ(菩提樹)に蓮華をささげる象たち、中に六牙の象も含まれる。
(撮影:2003年12月29日)