ガンダーラ(Gandhara)美術(8)

 現在のパキスタン北部、ペシャワール周辺域をさす古名 ガンダーラ(犍駄羅)に栄えた古代美術。ガンダーラ美術にはヘレニズム・ローマ系、

 イラン系遊牧民、インド系諸美術が様々に融合する。彫刻は石彫が主流で、黒青色片岩や緑泥片岩が多く使われている。

 仏像は、1世紀前半~中頃に成立したとする見解が有力で、マトゥーラと共に仏像の起源とされている。

 ガンダーラ美術(8) 神々と供養者 他

ハーリティー立像(5世紀頃、片岩、高さ122Cm、サハリ・バハロール出土、ペシャワール博物館)

頭部は花綱をあしらった冠、眉間には仏の白毫のような突起があり、口には牙を生やしている。

ハーリティー立像(5世紀頃、片岩、高さ122Cm、サハリ・バハロール出土) 女性立像(4世紀頃、片岩、高さ159Cm、サハリ・バハロール出土)

両方ともペシャワール博物館蔵。ハーリティーは、中国では音訳し訶梨帝母(かりていも)又は鬼子母神(きしもじん)と呼ばれる。ハーリティーは、幼児を奪って

食べる凶暴なヤクシー女神だったが、仏陀により改心し、子供を守る善神となった。この像は四臂(手が四本)で、右第一手に牌、第二手に子供、左第一手に

三叉戟(さんさげき)、第二手に水瓶を持つ。頭部は花綱をあしらった冠、眉間には仏の白毫のような突起があり、口には牙を生やしている。・・・・・・・・・・・・・・・

右上の女性像は、両手で三葉形の仏龕(ぶつがん)を持つ。たくさんの豊な装身具を身につけていることから、王族に属するとされる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

供養者頭部 (4-5世紀頃、彩色ストゥッコ像、高さ 17Cm、ラホール博物館)

ストゥッコ像とは細土に石灰を混ぜた漆喰のことで、ガンダーラの後期に、この素材による仏像が数多く造られた。

上の写真のような金、赤、青、黒など多彩をとどめるものはめずらしい。

バーンチカ像(2世紀後期、タッカール出土、片岩、高さ 110Cm、ラホール博物館) ハーリティー立像(2-3世紀、片岩)

バーンチカ(般闍迦、半支迦)はハーリティーの夫で、子供の守護神。またヤクシャの大将クーベラと同一視され財宝神でもある。

右上は、ペシャワール博物館蔵のハーリティーとバーンチカ像(高さ105Cm)のハーリティー側を切り取ったもの。・・・・・・・・・・・・・

ギリシャ・コリント式柱頭、中央に仏陀の坐像が納まる(ラホール博物館)

仏足石(2世紀頃、シクリ出土、片岩、高さ 95Cm、ペシャワール博物館) 女神像(マトゥーラ博物館)

左上の仏足石は、ガンダーラの仏足石中で最大規模の大きさを誇る。指に卍(薬指のみ向きが異なる)、中央に千輻輪(せんぷくりん)、かかとに三宝標と蓮弁文を

表している。仏足石は、仏像の誕生以前、仏陀の存在を暗示する象徴物として用いられたが、仏像誕生後も信仰を集め、遺品は多い。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ギリシャ・コリント様式の石彫 (ダルマラージカ出土、タキシラ博物館)

仏足石(片岩、プリンス・オブ・ウェールズ博物館) 眠る女性像(2-3世紀、タキシラ博物館)

 タキシラ(Taxila)の都市遺跡と諸寺院                  アジアの宗教美術と博物館!

仏説法図の頭上部分(3-4世紀頃、モハマッド・ナリ出土、ラホール博物館)