エローラ(Ellora)石窟寺院 ヴィハーラ窟 第12窟他

  エローラは、インド西部 アウランガーバードの北西約25kmのところに位置し、なだらかな丘の西麓に約2kmにわたって仏教ヒンドゥー教窟

  ジャイナ教窟の石窟が並ぶインドを代表する遺跡である。

  仏教窟は、南端の第1~12窟で、7~8世紀に開窟され、インドにおける仏教石窟最後の遺例で規模が大きい。第10窟のチャイティヤ窟を

  のぞいた他は、すべてヴィハーラ窟(僧院窟)で、中央奥壁に造られる仏殿が大きな比重をしめ、仏殿的性格が強くなる。

 第12窟 ティーン・タール窟〈8世紀初頭、ヴィハーラ窟(僧院窟)〉

   仏教窟末期の8世紀初頭に開窟され、多臂像や女尊像などが多く刻まれ、西インドの初期的密教美術が数多く含まれる

第12窟 ティーン・タール 

三層からなるインドで最も規模の大きいヴィハーラ窟

  

装飾のない簡素な正面廊下

広間の左壁の三尊仏

  

第12窟  第三層広間の後壁

左右に七体ずつ結跏趺坐(けっかふざ)仏が並んでいる

下に二頭の鹿を配した仏陀の初転法輪坐像 結跏趺坐し禅定印を結ぶ仏陀坐像

  

観世音菩薩と二脇侍像(8世紀)

密教の女尊を従えた観音像で、向かって右はブリクティー(毘俱胝:びぐち)、左はターラー(多羅)

寺院を彩る女尊たち(第12窟)

 第12窟 ヴィハーラ窟(僧院窟) (第4・第5・第6窟、7~8世紀)

第5窟 大ヴィハーラ(僧院)窟の内部 ホールは両サイド各10本の列柱で仕切る。正面には仏堂がある。

中央ホールには二本の細長いベンチ状のテーブルが列柱と平行に彫り残されている。これは比丘たちの勉強机だという

マカラ・アーチで縁取られ、脇侍を伴ったターラー立像 マハーマーユーリー(孔雀明王)立像(第6窟、7世紀)

右上の孔雀明王は、孔雀を毒蛇除けの守護神として神格化したした女尊。この像は、インドにおける初期の作例として、きわめて貴重といわれている。

この孔雀明王は、マカラ・アーチで縁取られ、壁龕中央下の蓮華座上に直立し、右手で孔雀の尾羽を掲げる。孔雀は、女尊の右脇に配されている。

第4窟付近(7~8世紀)

ブッダ像、観音像がおかれ、左方の窟院入口の柱にはミトゥナ像が円形のメダリオンの中に浮彫にされている

 カンヘーリー(Kanheri)後期石窟寺院                    アジアの宗教美術と博物館!

石窟寺院の列柱と彫刻

(撮影:2004年1月4日)