後期ヴィハーラ窟(僧院窟)のうち、この第7・第9窟も6世紀半ば以降の制作で、第1・第3窟(6世紀前半)と異なり、ヒンドゥー教窟と似た
様相をみせる。第7窟をみると、ヒンドゥー教窟の祠堂と同じ構造を示すに至り、奏楽舞踊像や女神など官能的な女尊像は、ヒンドゥー教美
術と変わらない。
第7窟 後期ヴィハーラ窟(僧院窟) (6世紀中期~7世紀)
石窟群中、第7窟は、もっとも完成度が高く、優れた彫刻が壁面に遺されている。
第7窟 奏楽舞踊像(仏堂左壁) (7世紀)
楽器に合わせて踊る官能的な女神像を中心に、楽人を放射状に置いた半円形の構図。時代が、性的エネルギーを重視する密教化の方向に進んでいる
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金剛手菩薩(左側)と中段の飛天(7世紀)
金剛手菩薩は、金剛杵を持物とし、不壊(ふえ)の菩提心を持つ菩薩で、密教で重要な位置を占める。金剛薩埵(さった)とも呼ばれる
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金剛手菩薩の頭部左右横に刻まれた、男女一組の飛天(7世紀) |
第7窟 本尊、仏陀倚坐像の頭部(7世紀)
アジャンター様式を継承しているが動物達が椅子の背に配され、躍動感にあふれる
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第7窟 本尊、仏陀倚坐像(7世紀) | 八難救済の場面を伴った観音菩薩立像(7世紀) |
右上は右手施無畏印を結び、左手は蓮華を持つ観音立像。左右に危難部分を各四場面配し、各場面ごとに、右手に施無畏印を示し左手に蓮華を持つ
小観音が救済に飛来する姿を表している。危難部分は向かって、右上段から獅子・毒蛇・象・悪鬼、左上段から火・剣・枷鎖(かさ)・難船の八難。・・・・・
第7窟 仏陀坐像 (7世紀)
蓮華座に結跏趺坐し、説法印を結んでいる。各々左右上方に飛天が飛んでいる
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第7窟 ターラーと脇侍 (豊満な胸や腰を誇張的に張り出した官能的な女尊像。エレファンタ島の石窟との様式的関連性が注目される) |
第9窟 後期ヴィハーラ窟(僧院窟) (6世紀中期~7世紀)
第9窟は、6世紀半ば以降制作された後期ヴィハーラ窟
第9窟 結跏趺坐し転法輪印を結ぶ仏陀像 ほか
第9窟 釈迦涅槃像
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第9窟 壁面の彫像・左側はターラー菩薩(観音の瞳から生まれた化身)
第9窟の彫像は、ひざから下がほとんど破損している
エローラ(Ellora)石窟寺院 チャイティヤ窟 第10窟
アジアの宗教美術と博物館!
第9窟 ターラー菩薩と脇侍
女尊像は官能的に表現され、ヒンドゥー教美術と変わらない。
(撮影:2003年12月31日)