アウランガーバード後期石窟寺院 第2・第6窟

 インド、マハーシュトラ州アウランガーバード市北部、デカン高原西部に位置する丘陵に開かれた仏教石窟寺院。未完窟を含め全部で12窟

 あり、このうち第4窟が前期チャイティヤ窟(祠堂窟)で、残りが後期ヴィハーラ窟(僧院窟)に分類される。

 後期ヴィハーラ窟(僧院窟)のうち、この第2・第6窟は6世紀半ば以降の制作で、第1・第3窟(6世紀前半)と異なりアジャンター石窟寺院に

 ない新たな様相をみせる。

アウランガーバード 石窟寺院

 第2窟 後期ヴィハーラ窟(僧院窟) (6世紀中期~7世紀)

  第2窟は、6世紀半ば以降制作された後期ヴィハーラ窟

第2窟 内部

写真右端の入口を入ると、下左写真の説法印を結ぶ椅坐仏(いざぶつ)を納めた仏堂がある。第2窟は、仏堂を広間

内部に設け、周囲を右繞(うにょう)できるよう後壁から独立させた形式を持つ。この形式は従来の石窟寺院にはない

形式で、ヴィハーラ(僧院)窟においても本尊仏は中心的な存在になり、入口の左右の守門神菩薩像は巨大化する。

飛天のレリーフ
第2窟 仏堂の本尊、仏陀倚坐(いざ)像 飛天のレリーフ

仏三尊像(上部の左右には飛天が舞う)

 第6窟 後期ヴィハーラ窟(僧院窟) (6世紀中期~7世紀)

  第6窟は、6世紀半ば以降制作された後期ヴィハーラ窟

第6窟 後期ヴィハーラ窟(僧院窟、6世紀中期~7世紀)

  

第6窟 金剛手菩薩の彫像(右側)

金剛手菩薩は、金剛杵を持物とし、不壊(ふえ)の菩提心を持つ菩薩で、密教で重要な位置を占める。金剛薩埵(さった)とも呼ばれる

 アウランガーバード後期石窟寺院 第7・第9窟                アジアの宗教美術と博物館!

第6窟 ベランダの列柱

(撮影:2003年12月31日)