アジャンター(Ajanta)後期石窟寺院 第19・26窟

                                                        インドの仏教美術概略年表

 ワゴーラー川に面した断崖に30の窟群が並ぶ。窟群中 第19・26・29窟が後期チャイティヤ窟(祠堂窟)で、後期窟は5世紀後半から6世紀

 初頭 にかけて順次造営されたものと見られている。

 後期チャイティヤ(祠堂窟)の大きな特徴は、前期窟では見られなかった仏像(彫られている仏像は後期に彫られた追刻)が多く彫られてい

 ることで、特にストゥーパの正面に龕(がん) を造って仏像を彫刻し、仏像がストゥーパと一体になり中心的位置を占めるようになった。これ

 は、仏像を祀ることにより、信仰の対象が、舎 利を納める仏塔から仏像へと変化していったことが知られる

アジャンター 石窟寺院全景

馬蹄形の向かって右側から、左側にかけて1〜15窟、15A窟、16〜20窟、29窟、21〜28窟

 第19窟 後期チャイティヤ(祠堂)窟 (5世紀後半)

  第19窟は、インド後期チャイティヤ窟の中で、最初に造営された。

 

第19窟 ファサード(正面)には大きなチャイティヤ窓が設けられ、壁面にはたくさんの仏像が表現されている

右写真中央の大きな像は、クベーラと考えられている。クベーラは財宝を司る神で、ヤクシャの王でもある。北方の守護神ともされる

 

第19窟 窟内のストゥーパ

ストゥーパにはマカラ・アーチの付された仏龕(ぶつがん)が開かれ、前期窟では見られなかった仏陀立像が刻まれている

仏像を祀ることにより、信仰の対象が、舎利を納める仏塔から仏像へと変化していったことが知られる

第19窟 ストゥーパの平頭(ひょうず)と傘蓋(さんがい)が覆鉢に比べ非常に大きい

ストーパの傘蓋(さんがい)

傘蓋には彫刻が施されており、天井のアーチに届くばかりだ

第19窟 窟内長押の仏陀坐像

長押(なげし)には、形のいい仏像がたくさん刻まれている

 第26窟 アジャンター後期窟群の最後期に位置づけられるチャイティヤ窟(5世紀末期)

   第26窟は、アジャンター後期窟群の末期的段階に位置付けられるチャイティヤ窟(祠堂窟)で、刻銘から施主がブッダバトラと名乗る比丘であったことが知られている。

   

第26窟 窟内のストゥーパと正面の仏陀倚坐像

鼓胴部が一段と高くなり、正面の仏龕には仏陀の倚坐(いざ)像が刻まれ、ストゥーパと一体化する。内部の建築は、木製の内部構造をそのまま石に写し換えた

第26窟 ストゥーパ(豊富に彫刻が施されている)

ストゥーパは、頂部の傘蓋(さんがい)を欠いている

  

覆鉢には、天女が舞う

覆鉢の部分は、宇宙のシンボルである卵型(天宮のイメージ)

穏やかな顔立ちの釈迦涅槃像 頭部

  

長押の部分には、三尊形式の仏像が刻まれている。像容は、第19窟に比べ表情がやや柔らかくなっている

 アジャンター後期ヴィハーラ窟(僧院窟) 第1・第2窟         アジアの宗教美術と博物館!

釈迦涅槃像(第26窟 全長7.3mはインド最大規模)

(撮影:2004年1月4日)