ヒンドゥー教寺院 第16窟 カイラーサナータ寺院(1)
カイラーサ寺院の寄進者はラーシュトラクター朝のクリシュナ1世(在位757−83年)で、彼はエローラからさほど遠くないプラティシュターナ(現パイターン)に都をおき、南インド
から中インドにかけてデカン高原の大部分を支配した。かれは、この寺院を建てることにより転輪聖王(てんりんじょうおう)(インドに伝えられる理想的な世界支配者)を名乗る資格
が得られるものと信じていた。
カイラーサナータ寺院(ヒマラヤ山中の山名であるカイラーサの名を用いた)
エローラ石窟群の中央にそびえるのが、このインド最大の石彫寺院、カイラーサナータ寺院である。幅45m強、奥行85m弱にわたって岩
山を削り取り、楼門・ナンディン牛堂・前殿・拝殿・本殿(高さ約30m)を削りだした。しかも、周囲の岩壁に回廊や付属の石窟を掘っている
カイラーサナータ寺院の内部回廊と本殿上部
回廊を歩くと、改めて彫りだされた建物の巨大さに驚きを覚える
屋根上に4頭のライオンの彫像を彫りだしている拝殿と高さ30mをほこる本殿
エローラ(6) ヒンドゥー教寺院(2) アジャンター・エローラと西インドの石窟寺院
この角度から見ると岩山の傾斜に沿って彫られたことがよく分かる